近年,高度経済成長期に大量に建設された橋梁が建設後40年から50年経過し,老朽化が急速に進行している.国土交通省の調査では我が国の橋長15mを超える橋梁は約15.7万橋あり,その内の36%に及ぶ橋梁が高度経済成長期に建設されており,10年後には建設後50年が経過する橋梁が28%,20年後には53%になると発表している.これらの橋梁を放置しておくと今後劣化損傷の深刻化が進み通行規制や,通行止めを行わなければいけない橋梁が増え,落橋による人身被害が増える可能性がある.このような状況に対して従来の損傷が深刻化してから大規模な修繕を行う事後保全ではなく,損傷の早期発見・早期対策により橋梁を長期的に使用することのできる予防保全を行う必要がある.
国及び地方自治体では橋梁の予防保全を行うために橋梁の長寿命化修繕計画の策定が行われている.長寿命化修繕計画では橋梁に対して5年に1回目視による定期点検,損傷の種類や程度の判定を行い、補修の必要な橋梁に対しては補修の時期及び工法を選択することにより各年度に必要な費用の算出を行っている.
2.受講対象者 一級土木施工管理技士および二級土木施工管理技士
講座はA〜Eの5講義とする。1時間で1ユニット数とし、合計5時間(5ユニット)開講する。
記号 |
講義名 |
時間 |
内容 |
A |
社会資本の維持管理の現状と課題 |
1 13:00-13:50 |
橋梁をはじめとする社会資本の維持管理のありかたについて概観するとともにその現状と課題について考える |
B |
橋梁工学の基礎 |
1 14:00-14:50 |
橋梁の維持管理の基礎となる橋梁の上部工,下部工の構造形式や分類について解説するとともに,橋梁の観察眼を養うためのポイントを説明する |
C |
長寿命化修繕計画と橋梁の点検項目 |
1 15:00-15:50 |
橋の長寿命化修繕計画の概要と地方自治体で実施されている橋梁の点検項目と内容(基礎データ収集要領(案))について解説する |
D |
鋼橋の損傷とその対策工法 |
1 16:00-16:50 |
鋼橋に発生する損傷とその対策工法について解説する.また,本体への影響が大きい付属物等の損傷とその対策についても同時に解説する |
E |
コンクリート橋の損傷とその対策工法 |
1 17:00-18:00 |
コンクリート橋に発生する損傷とその対策工法について解説する.本研修の全体のまとめと質疑応答も実施する |
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合計 |
5 |
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4.講師 舞鶴工業高等専門学校教授・博士(工学) 玉田 和也
5.実施日時 2013年6月1日(土曜日)13:00〜18:00
7.プログラム番号(登録番号) 210953
8.主催者 水嶋CG安全衛生協力会